新幹線といえば、東海道山陽新幹線のN700系や東北新幹線のはやぶさ用E5系などが主な顔ぶれで思い浮かべることが多いと思います。
新幹線は、主に多くの人を運ぶことを目的としていることから、おおざっぱに見ると座席主体の同じような雰囲気ばかり。
そんな新幹線にも、一風変わったイベント要素の強い車両もあり、普段乗っている新幹線とは異なった雰囲気を味わえることがあるのです。
・とれいゆつばさ(山形新幹線 福島-新庄)
・500 TYPE EVA (山陽新幹線 新大阪-博多)
そのうち500 TYPE EVAは期間限定で、2018年5月13日で終了されるため、今回急いで乗車してきました。
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500 TYPE EVA とは
元々JR西日本が山陽新幹線運行開始40周年記念とテレビアニメ「エバンゲリオン」のTV放映20周年記念したコラボレーションをした編成で、2015年11月7日より運転を開始。
元々は2017年3月までの運行予定だったものが好評のため2018年5月13日まで1年延長されました。
エバンゲリオン仕様になったのは、通称「いも虫」とも呼ばれた500系新幹線。特徴となるのは、高速運転を行うためにデザインされた先頭車両の前頭部形状と円柱のような車両形状である。
元々はJR西日本が飛行機との競争に対抗すべく速度向上の試験車両WIN350よりフィードバックされ、最高時速320km/hまで対応するように設計され、山陽区間における最高速度300km/hを行った。
JR西日本の車両ではあるが、東京-博多間のぞみ運用に組み込まれていたので、東海道区間でもその雄姿を眺めることはできました。
その後、JR東海とJR西日本が共同開発したN700系が増備され、2010年2月28日をもってのぞみ運用を引退。8両編成に短縮化された上で、現在は新大阪-博多間の山陽新幹線区間内のこだま号運用されています。
500系新幹線は、8編成あるうちのV2編成が今回の「500 TYPE EVA PROJECT」に当てられたのです。
500 TYPE EVAに乗るために岡山へ
今回500 TYPE EVAの運転が終了日の前日の5月12日、岡山→新大阪を乗車してきました。
500 TYPE EVAはこだまの定期列車であるこだま730号とこだま741号の1往復で運行。その時間は次の通り。
こだま741号 新大阪 11:29 → 博多 15:38
博多の朝早い!
ということで、前日に飛行機で高松入り。JR高松駅を08:22発のマリンライナーに乗って、瀬戸大橋を渡って岡山までやってきました!!
夜遅くに現地に到着した理由もあるのですが、当日朝まで友人と話していたので、上から照らず日差しがキツイ(笑)
岡山発は09:57なのですがのぞみに1本道を譲るため、岡山に09:46と、早々と到着します。
11分停車します。この後も相生や姫路でも追い越しのために、新幹線としては長時間停車をするので、全体的にはのんびりとしたダイヤで新大阪まで向かいます。
運転終了日が近いことから、停車するどの駅もホームには多くの500 TYPE EVAをお目当ての撮影者や家族連れが見られました。
新幹線とアニメ「エバンゲリオン」のコラボ
500 TYPE EVAについては、エバンゲリオンのメカニックデザイナーである山下いくと氏が車両のデザインを担当し、監督の庵野秀明氏が監修。
その姿は、エバンゲリオン初号機をイメージしたラッピング外装がされています。
そのため白と青が基調の東海道山陽新幹線において、ひときわ賑やかな外装での列車です。
500 TYPE EVA乗車
500 TYPE EVAが09:46に岡山へ到着。
定刻の出発より10分以上も早い到着。
途中駅にもかかわらず、ホームで撮影している親子連れが目立ちます。
世代的には親の方が親しみあるので、子供は道連れにされたのではないのでしょうか。(たぶん)
車内に入ると元々円形状の断面であるため、デッキ内はタイトな感じを受けます。すでにここからエバの世界が始まります
車内はアニメのエバンゲリオンを思わせるから8両編成中、1号車は展示を兼ねたスペースで、座席は全て取り払われており、2号車は特別内装がされ、3号車から8号車までは通常の車内となっているが、デッキ部などにNERVマークやフォントが用いられています。
乗車したのは4号車。客室内はテーブルの案内が若干違う以外は、通常の2&2席と同じの指定席。
席は前日にも取れていて、まだ若干の空きが見える車内です。
座ったのは通路側B席。窓側の隣は空いていました。4~6号車は指定席車両でありますが、6号車についてはフットレスとオーディオ装置を取り外す格下げ改造がされた元グリーン車が当てがわれている車両なのです。こっちに乗りたかった。
シートピッチが1040mmから1160mmとゆっくりしているので、隠れた乗り得車両として有名。
発車してすぐにEVAの自動音声による案内が始まった。車内放送はJR西日本の標準の「いい日旅立ち」から、エバンゲリオンの曲と「渚カオル」演じている石田彰氏による自動音声に差し替えられていました。英語アナウンスについては通常のままのアナウンスが流れ、車掌による肉声アナウンスも引き続き行われています。
広島や岡山といった新幹線主要駅では発車直後に自動音声があるようで、この先の相生や姫路などでは、到着4・5分前の自動アナウンスだけでした。
山陽新幹線内は東海道新幹線に比べて速度が出せるので、のぞみであればぐぐっと速度が上がっていくのを感じられますが、各駅停車のこだまは幾分抑えられた立ち上がりです。500系新幹線は300km/h運転は可能なものの、短編成化時に防音設備の一部撤去や短編成化で高速運転の機器が集中したので、現在は最高時速は285km/hに抑えられています。
車内は500 TYPE EVA乗車を目的とした大人や子供が通路を行き来する以外は至って静かです。
たまたま私が座っていた後ろの席の女性2人は、岡山から新大阪までずーっとエンドレスでおしゃべりをしていた。よく話題が尽きないと逆に感心させらててします。
たまたまこの列車は500 TYPE EVAのこだまなので乗車率がよいのですが、通常のこだまの場合だと乗車率は少なそうだと思えます。
岡山を出て16分経つと、2面4線の対面式ホームの相生に停車。ここで10分ほど停車し、みずほとのぞみの2本の列車が立て続けに通過して行きます。時間があるので、反対のホームに向かって激写してきました。
通過するのぞみに乗れれば、東京着は13:30と3時間半で東京に到着してしまいます。ずいぶん早くなったものです。
ちなみにこだま730号を新大阪でのぞみに乗り継くと、23分遅れで東京に到着できます。ここ相生を発車すると9分で姫路に到着し、ここでも7分ほど停車して、のぞみ1本を先に譲ります。
新幹線といえば高速運転が売りの列車ですが、ずいぶんゆったりしているというか高速運転の隙間をこだまが縫って走っている様子です。
さて、車内を移動して見てみます。
1号車は展示車両となっていて、多くの人で賑わっています。
展示コーナーでは、「新幹線×エヴァンゲリオンパネル」「フォトスポット」「ジオラマ」があり、運転席近くには「実物大コックピット搭乗体験コーナー」といった4つの展示物があります。
実物大のコックピットは予約制のため体験はできませんでしたが、隙間からチラッとのぞき見。
ジオラマも
500 TYPE EVAの車両基地まで
その他、車内の様子でが、まず喫煙室がEVA仕様に衣替え。
中に入るとこんな感じでお出迎え。
あとは細かいところにも装飾されていて、客室との自動ドア以外にも、今やあまり使われていない電話室も、、、
しっかりEVAの文字が(笑)
500 TYPE EVAが新大阪に到着したら・・・
姫路の次の西明石での通過はなく、新神戸を過ぎると、終点新大阪となります。
結局隣の席は新大阪まで空いていました。元々空いていたのか、それとも記念用なのか?空いていたなら、窓側の発券して欲しかった?!
新大阪は11:13、20番線に到着。ホームには多く人が待ち構えていました。
沢山のギャラリーや乗車町の人のほか、いつもより多い駅員さんと警察の方も見回りと警備に駆り出されていて、ホーム上は一段と混雑。写真と撮るために反対のホームに回りました。
イベント性の高い列車の場合は男性や家族連れが多いのですが、500 TYPE EVAに限っては、女も撮影している姿がそこそこ見かけました。エバンゲリオンの影響が大きいのかな?と思います。
こだま730号は新大阪到着後は16分程留まり、折り返しこだま741号博多行きとなって出発します。
駅員さんの「あぶないので下がってくださーい」と呼びかけが繰り返され、反対のホームの21番線では500 TYPE EVAが止まっている間にのぞみがやって来るので、「列車停止装置が作動するので下がってくださーい」と連呼していて、安全運行に多忙な感じ。
列車案内掲示板にも、警告の文字がにぎわいます。
さて11:29になると、こだま741号は博多に向かって出発。ホームは次第にいつもの賑わいに戻っていました。
しばらくして修学旅行の高校生を乗せた団体列車まで到着して、500 TYPE EVAが出た後もホームは落ち着かせてくれないようです。
さてこの後は東京行きののぞみに乗って帰ります。指定席撮っていたけれど、乗り遅れたのは秘密です。
車内では京都や名古屋に止まっていた記憶が微かにある以外はもう目が覚めず、再び意識が回復したのは品川を過ぎた辺り。
今度は少し大阪によってみたいと思いながら、今回の旅は終了です。
500 TYPE EVAの後は?
500 TYPE EVAは5月13日の運転をもって終了となります。
1年延長しても500 TYPE EVAが人気なのですから、このまま終わらせるのは惜しいものです。
2018年夏からは同じ編成がリニューアルされ、新たに「ハローキティ新幹線」として運行される予定です。
すでに飛行機の方では、台湾のエバー航空がハローキティジェットを運航しており、飛行機と比べてどのような装飾にされるのかが期待したいところです。
その前に新幹線で足湯したいね(笑)