一眼レフというのは、媒体となる映像素子と画像処理エンジン以外にも、装着しているレンズによってその写真の個性や表現というものが出てきます。
フィルム時代の多少曖昧なピントでもゆるされたものが、デジタル化によってシビアになり、最近では解像度重視の写りが好まれています。
そんな中で私が常用するNikonでは、「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」というレンズがラインアップされています。
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「点が点に写る」レンズ
このレンズはその昔、MFレンズでラインアップされていた「NOCT NIKKOR 58mm f/1.2」の「ノクト思想」を受継いだレンズなのです。
えっ、何それ美味しいのと思われますが、このレンズは夜間撮影において、
「点が点に写る」ことを目指したレンズなのです。
ますます分かりずらくなっています。
これは通常夜間撮影において光源があると、特に画面周辺のボケの形状が鳥が羽ばたいているように映ってしまいます。これを「サジタルコマフレア」と呼ばれていますこのサジタルコマフレアを前玉に非球面レンズを用いて極限まで減らし、「点が点に写る」ようにしたのが、Noct Nikkor(ノクトニッコール)なのです。
Noct(ノクト)という名前の由来はNocturne(夜想曲)から来ているといわれています。1977年より販売されてその後の改良でAi-s化までされましたが、惜しくもこのレンズは1997年頃に販売が終わってしまいました。
販売された本数もそれほど多くないことも相まり、その後の中古市場では定価より高く取引されています。(中古平均相場:20万円前後)
もう少し詳しいことはこちらを参照して下さい。
「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」とは
このノクト思想を現代の技術で生まれ変せたのが、2013年10月に発売した「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」なのです。メーカー自身も現代のノクトとしての位置づけをしていますが、レンズ名に入っていません。
かなり癖のあるレンズのためAi時代はNOCTを命名していましたが、かえってそれが特殊レンズとして見られてしまったとの反省で、今回は敢えてその名前を入れていないそうです。
さてその写りというのは、夜景にて点像の再現に優れ、近影では自然なボケ味を絞り開放から発揮してくれます。
特に夜間撮影に力を発揮することから、「夜の帝王」とも言われています。また開放からのボケが美しいことから、ポートレート撮影でもよく使われています。
Computexの台湾美女
発売時は17~18万程していたレンズも、2015年後半から14万台まで下がってきました。また後で暴騰する前に買ってしまおうと、余裕があるときに購入しました。
ところが買ってからというものの、標準レンズよりやや焦点距離が長く小難しいレンズのため、今まで数回しか持出していませんでした。
今回Computexに行くに当たって、どうせならこのNoctレンズの実力とやらを見させてもらおうかということで持出し、Computex会場にいたコンパニオンをこのレンズで取ってみました。
(ここまでの前フリが長かったw)
台湾美女をノクトで撮る
「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」作例1
ご清聴ありがとうございました。おぃおぃ
まだ終わりませんw
普通のレンズとの違い
では通常のレンズとはどの位違うものか。普段使用しているAF-S 28mm F1.8と比べてみます。
これは28mmです。これがノクトだと、、、
こんな感じになります。焦点距離の差もありますが、表情が豊かになったような感じです。
引続き「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」作例2
イベントステージ以外では、待っていれば割と目線くれます。なのでポートレート初心者の自分でも楽々(笑)ちょっと難しいのは、ピンと合わせ。静止撮影や一対一の撮影ではないので、ほぼ一発勝負。
いつも風景や物撮りなので、完璧にカメラ任せです。それでもよく撮れていること。
ここまでやるのか!
あと台湾では時間の余裕があれば、ツーショットの写真にも応じてくれます。
また人が少ない時には、モデル撮影のようにポーズを決めてくれます。いたりつくせりです。
気になったのは、結構コンパニオンとしゃべっている姿をよく見ました。フレンドリーなのか追っかけ常連ファンなのでしょうか?
おまけ画像
短時間なのでノクトはここまでですが、28mmでも惜しいのがあったので、おまけコーナーです。
さていかがだったでしょうか?
なお全てRowからの現像で、明るさのみ調整しています。